植田先生と共に処置室を出ると、もうとっくに外は暗くなっていたが、私が処置室に入る前と変わらずに不安げな表情で、花瑠たちが待っていた。
「……………高梨は………?」
すっかり泣き腫らした顔で、花瑠はそう尋ねる。
「大変危険な状態でしたが、一命は取り留めましたよ」
植田先生が優しくそう言うと、一同は張りつめていた糸が切れたように胸を撫で下ろした。
「あの…………会えますか?」
湊くんのお母さんが遠慮がちにそう尋ねると、植田先生は笑顔で頷いた。
「ご家族の方は、どうぞ。まだ意識が戻りませんが準備が整い次第、病棟に移しますので」
ご家族の方は…と言われ、龍平くんと花瑠は少し不安そうな顔をした。
「──龍平くんも花瑠も、今日はもう遅いから帰りなさい」
「でも………」
「大丈夫。湊くんは頑張ったから、ね?」
「──帰ろーぜ、佐原。明日意識が戻ってたら説教してやんねーと」
沈んだ空気を少し立て直そうと、龍平くんがそう言った。
花瑠もそんな龍平くんの気持ちを察してか、渋々といった感じで処置室に踵を返した。


