─────ねぇ、高梨。
あんたもしかして、ずっと我慢してたんじゃないの?
本当はずっとキツかったのに、隠してたんじゃないの?
私たちメンバーに気を使ってくれたんだよね。
────だけどね、本当はINFINITYの為だけじゃないって知ってるよ。
『花菜さんだけは…あの人だけは絶対、誰にだって、運命にだって奪われるもんか』
あの日、あんたはそう言っていたけれど。
窓の外に浮かぶ朝の空を睨みつけて、確かにそう誓ったけれど。
こんなことに……なるくらいなら…………。
──────高梨のバカ。
おねーちゃんの為にいくら頑張って……強くなったって、
あんたが運命に奪われてしまったらなんの意味もないのに……………。
「───私から…………高梨を…………奪わないで……………っ」
静かで、どこか冷たい廊下に、
ただのその虚しい叫びだけが
微かに響いた。


