──────まただ…………、スローモーション……。
目に写るものが、全部全部。ほとんど静止画の視界。
「ミナ………ミナ!おいっ!!」
もう仰向けになったって一切息苦しそうな顔をしない高梨を、必死で呼ぶ飯田の声や、周囲のどよめきだけが静止画の中に聞こえる。
────それからのことはよく覚えていない。
救急車が来て、飯田と私は無理を言って先生と一緒に病院に同行した。
救急車内で高梨が、本物は初めてみるような酸素マスクを付けられたり、見たこともないような管や心電図の数々がつけられていくのを、
ただ呆然と見ていた。
病院に着いて、処置室に運ばれるストレッチャーを、ただ呆然と眺めていた。


