ちっちゃい頃の約束

 チャイムがなったとたんに、滑り込みで教室に入ったから、ギリギリ遅刻は免れた。  


「ぎりセーフ。」


 はぁ、はぁ、と息切れがする。


 隣では、要が少し咳き込んでいた。


「要、大丈夫?……ごめん。」


 私が心配そうに言うと、要は優しそうに笑った。


「平気だよ。心配するな。それより、遅刻しなくて良かったじゃん。」


 そう言って、私の頭をポンポンとする。


 その時、私に向けられた視線が睨むようだった感じがした。


 要の『平気』は信じられない。


『平気』って言って倒れたこともあるぐらいだから。


「そっか……。」


 心配そうに呟く。


 私の気持ちを察したのか、要はちょっぴり溜め息を付き、人差し指で私の額をちょんと押した。