ーーピンポンーー 「ん…?」 明るかったはずの室内は、真っ暗になっていた。 「ヤバ…夜かよ。」 今何時だろう… 時計を確認しようとすると ーピンポンーー 再びチャイムが鳴った。 やっぱり空耳じゃなかったか。 「はい~」 受話器をあげ、応答する。 『大翔。開けて~鍵ないの!』 聞こえてきたのは、妻の声。 「美姫かぁ…入れよ。鍵開けておくから。」 エントランスの解除ボタンを押した。