イケメンエリート軍団の籠の中




「で、でも、さすがにこの恰好で外出はできません。
だって、これって、いわゆる部屋着ですから…」


舞衣は凪に引き寄せられ、凪の腕の力と厚みのある胸板を必要以上に感じていた。
凪がこういう風になったきっかけであるうさ子のコスチュームに感謝しながら、舞衣の胸のドキドキは中々止まらない。


「分かった……
じゃ、着替えしなくてもいい場所に行こう」


え? そんなにこのうさ子が大事?


「夜景がきれいで、うさ子もこのままでいい場所がある。

あ、明日、会社に行くための準備もしてほしい」


舞衣は凪にくっつき過ぎている体を少し離して、凪を見た。


「お泊り?ってことですか??」


凪は離れた舞衣をもう一度引き寄せ、舞衣の頭についているうさぎの耳をまたいじる。


「お前次第だよ。
昨日みたいに寝ても、今度はここに連れてこないからな」


舞衣は自分の意思の弱さに喝を入れたかった。
だって、凪には絶対に近づかないしこれ以上好きにもならないと、さっき誓ったはずなのに。
それなのに、凪の匂いと力強い温もりに、もう降参の手を上げている自分がいる。


「ほら、早く準備しろ。 置いてくぞ」