「な、凪さん、幻滅しましたよね?
あ、あの、私、今すぐ、着替えますから、ちょっとだけテレビを観ていて下さい。
後ろ、絶対振り返らないでくださいね」
舞衣は慌てふためいて早口で凪にそう言った。
でも、凪は舞衣から視線を外さない。
「な、凪さん……
驚くのも分かりますが」
「ねえ」
舞衣の話を遮って凪は舞衣に近づいてくる。
そして、舞衣の首後ろにあるうさぎの耳の形をしたフードを、優しく舞衣にかぶせた。
「これ、どこに売ってる?」
「へ??」
舞衣がすっとんきょうな声を出したと同時に、凪は舞衣を抱きしめた。
「なんでそんなに可愛いんだ?
このモコモコの洋服、最高に似合ってるよ…」
凪は一度舞衣を引き離し、もう一度舞衣の姿を堪能した。
「どこに売ってる?
色違いを何着も買ってやる。
それで俺に何度も見せて。
この可愛いうさ子を……」
凪は自分の理性と冷静でかつ鋭利な状況判断力がぶっ飛ぶのが分かった。
俺は、こいつに嵌まってしまった……
嵌まるってこんなファンタスティック感情なのか?…



