「映司さん、本当に本当にこのコインで買い物してもいいんですか?」
舞衣はいまだに狐につままれた気分だった。
今日初めて出社して、皆初対面の人ばかりなのにこんなにコインをいただいて、そのコインを使って買い物をするなんて、一般人の常識からはあり得ないことだ。
それもこんな一流のブランド店で。
「いいの、いいの。
EOCの人間ならこれが常識だから。
マイマイの前にいた鶴谷さんなんて、コインを貯めて海外旅行とか行ってたよ。
マイマイもじき慣れるさ」
「……そうなんですか。
いや、でも、やっぱり、凪さんからのグッドの数は多過ぎだと…
お返しするとかできないんでしょうか?」
映司はショーウィンドーに飾られているワンピースを見ては舞衣を見ている。
「マイマイ、大丈夫だよ。
凪の事は気にしなくていい。
いい事教えてあげる。
凪にとっての10万円は、マイマイにとっての100円と一緒なんだ」
「100円??」