イケメンエリート軍団の籠の中




「初めまして、舞衣ちゃん。僕は、中山トオルと言います。

可哀想に、こんなに緊張して。
大丈夫、ここにいる連中は見た目はワイルドだけど、舞衣の事を取って食ったりはしないから。

舞衣、頑張れ~~、よろしくね」


そう言って舞衣の近くまで来て、握手を求めてきた。

中山トオル……
ジャスティンの話では、何かに豹変するから要注意だったっけ??
こんなに素敵なのに?
何に豹変しちゃうの??


舞衣は必死に作り笑いを浮かべ、トオルと握手をすると、それと同時に、たくさんのイケメンが舞衣の前に集まってきた。


「はい、今度は僕の番ね。

ちょっと太めな舞衣ちゃん、ちょっとだけ僕にほっぺを触らせて」


舞衣は直立不動のまま、されるがままだ。


「真っ白でぷにゅぷにゅで、マシュマロみたい。
なんて可愛いんだ、食べちゃいたいよ」


舞衣はもう分かっていた。
この人は、このビル内一のイケメンのバイの彼だ。長身で細身で、スーツのCMから飛び出してきたみたいな完璧なルックスで、ハーフなのに黒髪で、でも顔は思いっきり外人顔で、そして、そのアンバランスが最高にクールで際立っている。