イケメンエリート軍団の籠の中




その後、二人はベッドに戻りしばらく短い眠りについた。

でも、二人とも眠れないのは、百も分かっている。ただ、時間が過ぎていく恐怖に耐えることで精一杯だった。


「舞衣…?

俺は自分の部屋に戻るから、自分の時間で会社に行っていいからな。
舞衣の荷物は、タロウに運ばせる。

タロウはしばらくは日本にいるから、本当に困ったことがあったらいつでもあいつに連絡しろよ」


凪は背中を向けて眠っている舞衣を後ろからそっと抱きしめる。


「舞衣がどんな決断をしても、俺はそれに従うよ。だから、ちゃんと考えてほしい。

俺にとって最悪な答えだとしても、大丈夫だから、俺は、どんな時でも、舞衣を許すから…

じゃあな、仕事、頑張れよ……」


凪はそう言うと、ベッドから立ち上がった。
それ以上何も言葉は残さずに、舞衣の元から静かに出て行った。

舞衣はシーツに潜り込んで、声を殺して泣いた。

凪さん…
私だって、凪さんがいないと生きていけない…

どうしよう……

私の気持ちも離れたくないって叫んでる。

でも、本当にそれでいいのかな…?
全てを凪さんに甘えて生きていくことを、そんなことを、神様は許してくれるのかな…?