「ほんとに嫌になるよ……
マジ、俺、壊れてるかもしれない……
最近の俺は、自分の未来をやたら考えるんだ。
そこには必ず舞衣がいる…
色んなシチュエーションで考えても、やっぱり絶対、俺の隣には舞衣がいる。
未来なんて興味がなくて、人のために生きるなんてクソくらえって思ってた俺が、自分の未来が凄く気になって、たった一人の誰かのために生きていきたいって、そう思ってる……
一時間後も明日も明後日もそれは俺の未来で、俺の未来から舞衣が消えてしまうなんて、マジで考えられないよ…」
舞衣は何も凪に声をかけられない。
自分の決意がまだ何も固まらない内は、何を言っても真実ではないような気がするから。
「ごめんな……
本当はこんな事、言うつもりじゃなかった…
俺の拠点はニューヨークで、それは変わることはない。
わがまま言って舞衣を無理やり連れて行くことは、そりゃ簡単だけど、でも、それじゃ嫌なんだ。
俺は舞衣の未来も真剣に考えてる。
願わくば、舞衣の未来に俺の居場所があってほしい。
もし、舞衣が真剣に考えて俺の元へ来てくれるのなら、俺はこの心臓をお前に捧げるよ。
死ぬまで舞衣を守るって意味さ」
凪は静かに息を吸うと、ゆっくりとそれを吐き出した。
「もう、これ以上は何も言わない。
舞衣が、よく考えて……」



