イケメンエリート軍団の籠の中




舞衣はサロンの奥にあるシュレッター室で、凪から頼まれた大量の書類をシュレッターにかけていた。
大中小の機械が揃っている中で一番大きな機械を使っても、刻まれた紙が機械の中のゴミ箱にすぐ溜まる。

舞衣は黙々とその作業を繰り返していた。
すると、凪がその部屋に、また、大きなゴミ袋を抱えて入ってきた。
凪はそのゴミ袋を機械の前に置くと今度はそのまま帰らずに、部屋の隅にしゃがみうなだれた様子で舞衣を見ている。


「凪さん…? 大丈夫ですか…?」


驚いた舞衣はすぐに凪の元へ駆け寄り、膝をついて凪の顔を覗きこんだ。


「ねえ、うさ子……

俺と一緒に逃げようか…?
ありったけの金をもって逃避行しよう」


舞衣は寂しそうに笑う凪の右手を優しく握った。


「うさ子、俺、どうしたらいい…?

お前がいいって言うんなら、明日無理やりにでもアメリカに一緒に連れて行くんだけど。

でも、それじゃ、ダメなんだよな…?
舞衣に考える時間を与えるって俺が決めたんだもんな…」


舞衣は何も言えなかった。

私だって、凪さんと離れたくない、離れたくないけど……

舞衣の心の叫びが凪に届いたのか、凪は小さくため息をついて舞衣の髪を優しく撫でた。


「今夜は一分一秒でも早く舞衣を抱きたいから、映司なんかの誘いには絶対乗るなよ。
俺はそんな早くには帰れないかもしれないけど、舞衣は、絶対俺の部屋で待ってること。

いいな、絶対だぞ。


うさ子に変身して待っててくれれば、俺、泣いちゃうかも」


凪は笑顔で軽く舞衣にキスをして、その場を後にした。