イケメンエリート軍団の籠の中




凪は体をずらし舞衣の横に座り直した。
そして、注いであるワインを一気に飲み干す。


「神様は本当に意地悪だと思うよ…
俺がやっと手に入れた宝物をまた箱の中に戻そうとしている」


舞衣は大きく目を見開いて凪の横顔を見た。


「今日、ソフィアから連絡があった。
向こうで俺の技術が早急に必要なんだと。
二週間後の異動の予定が、もっと早まった……」


舞衣はあまりの驚きで言葉も出ない。


「火曜日に発つ……

今日は土曜日だろ? 一緒に居れるのは後二日…

一週間前の俺なら、欲しいものは奪ってでも手に入れてた。
でも、今の俺は違う……
きっと、たったの数日で、俺は舞衣に本気で惚れたんだ。

ニューヨークにも東京にも人間なんて星の数ほどいて、そんな中で俺はお前を見つけた。
今考えれば、初めて舞衣を見た時から、俺は舞衣の魅力にひれ伏してた。
それだけ、舞衣が持っているパワーは、俺を簡単に惹きつけたんだ。

俺が初めて手にした宝物は、舞衣いう名の本物の愛で、大切に思い過ぎるから、簡単にアメリカに一緒に行こうなんて言えない。
急過ぎるし、舞衣に考える時間をちゃんと与えたい…」


凪が横を向くと、舞衣はまた大粒の涙をこぼしている。


「俺は舞衣を離したくない、何があってもね。
でも、俺の中に芽生えた不思議な感情が、それは舞衣が決めることだって…

もし、今、俺達が一つになって結ばれたら、それが舞衣をがんじがらめにしそうで怖いんだ」