イケメンエリート軍団の籠の中




凪と舞衣を乗せたヘリコプターは、馴染みのある超高層ビルに向かっている。
でも、舞衣は上空からの景色では、そこがどこか全く分からない。


「そろそろディナーにしようか?」


凪がそう言うと、ヘリコプターは降下し始めた。


「まだ分からない?」


凪は窓に張り付いて見ている舞衣にそう聞いた。


「も、もしかして…?」


凪は、舞衣の横にきて下を覗きこみ微笑んだ。


「B.C.squareTOKYOに到着~~」


二人を乗せたヘリはB.C.squareTOKYOの屋上にあるヘリポートに難なく到着した。
すると、さっき飛行場で別れたはずのタロウがこちらに向かって手を振っている。


「凪さん、これって現実ですか?
映画の撮影とかじゃないですよね…?」


凪は舞衣の手を取り意地悪そうに微笑んだ。


「映画の世界より、俺と一緒にいる現実の方が最高にクールだろ?」


舞衣はこの究極に俺様で自信家で意地悪で、でも、舞衣にだけは最高に優しい凪を本当に心から愛している。
でも幸せに慣れていない舞衣は、それでも心のどこかで不安が渦巻いていた。


「凪さん、幸せ過ぎて怖いです……」


舞衣は、心の底からそう言った。


「うさ子、早く幸せに、っていうか、早く俺に慣れろ。
俺の生活ではこれが普通なんだから、分かったか?」