舞衣はバッグから小さなメモ帳を取り出し、ジャスティンが話す貴重な情報を必死にメモした。
いつもうっかりミスが多くて、バイトでは大事な仕事はいつも沙紀に任せられた。
そんな私が、ここでの仕事に対応できるのかな?…
また、気がつくとひとり言を呟いている。
舞衣はハッとしてジャスティンを見た。
「舞衣、いいね。そのキャラ、僕は好きだよ」
いくらブサ専の舞衣でも、さすがにジャスティンの笑顔には心がときめいた。
「次は、一応、僕の自己紹介をしておく。
なんで、ソフィアが僕を舞衣のお世話係に任命したか分かる?」
「はい、分かります。
それは、ジャスティンさんが、英語が堪能だから」
ジャスティンは思いっきり口を横に開いて、笑うのを我慢している。
「舞衣、ここにいる社員は全員英語は堪能だよ。僕なんかよりはるかに喋れる」
「あ、そっか… そうですね…」
舞衣がそう言いながら頭をひねっていると、ジャスティンは舞衣の隣に腰かけた。
「僕はゲイなんだ。
女の子には興味がないし、逆に女の子の気持ちの方がわかったりする」



