舞衣はいつものように明るく元気に、出社してくる皆を迎え入れた。

いわゆる一流の人達は、きっと昨日の出来事は忘れているか、忘れたふりをしてくれるに違いない。
それに、昨夜の凪の言葉は、確実に舞衣を勇気づけていた。

自分に自信を持って頑張ろう……


「マイマイ、おはよう」


映司がいつもの軽いノリで舞衣の元へ来た。


「元気そうでよかった…
マイマイがここを辞めるって言い出したらどうしようって、みんなで話してたんだ」


舞衣は涙が出そうだった。

なんで、こんなに、皆、優しいの…


「ありがとうございます。
でも、もう、大丈夫です。

まだまだ至らない事だらけですが、一生懸命頑張ります」


舞衣がそう言うと、映司は感動したように舞衣の頬を触った。


「マイマイ、俺達は、いや俺は、マイマイの笑顔に本当に癒されてるんだ。
だから、俺の前から消えないでくれよ、な?」


映司のその手は、また舞衣の顔をぷにゅぷにゅしている。
舞衣が作り笑顔で応対していると、入口から凪が入ってくるのが見えた。

ヤ、ヤバい……

舞衣は何かを思い出したふりをして立ち上がり、映司に軽く会釈し笑顔を残しながら、女子部屋へ急いだ。


凪さんの顔……
めっちゃ怖いんですけど~~