Liz side

☆゜・゜★゜・゜☆゜・゜★゜・゜☆゜・

「来たっ!ヤリマン!!」

「よく、今日も来れるよねぇ。」

「親父にも体売ってるって噂!」

「まじ汚〜い!!」

よく知ってるね。ま、そりゃそうか。私がこの街で噂にならない事なんてない。

高校に進学するんだから、もう少し大人になったらいいのに。

「藤堂、後で職員室に来なさい。」

また志望校のことか...。そりゃ有名私立中学、しかも中高一貫校のここで外部進学の上、不良校に行くってなったら呼び出したくなるよな。でも、めんどくさい。選1も受けたのに、それはだるい。


((コンコンコンッ))
「失礼します。3年3組の藤堂です。田中先生おねがいします。」
「藤堂、こっちだ。」
ん!?校長室!?!?そんな大袈裟なこと?
「藤堂さん、どうぞそちらへ。」
「はぁ。」
ソファーに遠慮なく座ってやんよっ!無駄にふわふわなんだよ!チクショー。
「志望校の件、考え直す気はないかね?君は我が校の希望だ。IQ270以上を持っており、全国中学模試1位の君は我が校にいれば東大主席入学も夢ではない。さらに新体操では全国大会優勝している。我が校では外部講師も検討しているところだ。しかし君が志望している茜高校は私立ではあるが優秀な教師も外部講師を雇うことも出来ないぞ?さらに治安も良くないので中退も少なくないという話もある。」
この街で良くない噂を持つ私を厄介払いしようとしていたくせに、学校の評価が下降してきたら、こうやって引き止めてくる。まじでうざい。
「大丈夫ですよ?茜高校には生徒会特権があるんです。朝と夕方のHRさえ参加すれば1日出席したことになる上、自由にできる私室がひとつ与えられ、寮は生徒会用にある。これほど魅力的な条件はありませんよ。」
「そうですか。選1ですが、内定しました。3年間お疲れ様でした。」
こっちは意志固いんだよ!!てか、内定したのか。良かった。
「ありがとうございました。さようなら。」

よーし、これからは学校来ないでいいや。軽く旅行にでも行こっかな。

いや、あそこへいこう。