3センチHERO


彼の方を見れば、優しく笑う姿が見える。


また、胸をトントンと叩かれ、下を向くと、親指を突き出して満面の笑みをする三枝くん。


この2人がいてくれて良かった。


心で思うと同時に、ジェットコースターは急降下していく。


「いやっほーい!!」


という三枝くんの歓喜の言葉が、遊園地中にこだましていた。





「はあ…結構あのジェットコースター、ハードだな。俺もう限界」


ジェットコースターを降りるなり、近くの木陰で休む私たち。


逢坂くんは座り込んで木に寄りかかり、かなりぐったりとしている。


「どうしたんだよ、まだ序盤だぞ!? このくらいで疲れるなんて、情けないったらありゃしねぇ」


逢坂くんの足元でぐるぐる歩き回る三枝くんは、呆れたような声で言う。