3センチHERO


冗談か本気か。


三枝くんがおどおどしながらジェットコースターに乗り込む姿を想像すると、自然と笑みがこぼれた。


「…私本当は、ジェットコースターとか苦手で、あまり乗らないんだ」


「えっ、そうなの?」


「うん。だけど、今日は頑張って乗ってみようって思ったんだ。だから、私も一緒に乗っていいかな…?」


恐る恐る聞けば、2人は優しい笑顔で返してくれる。


「そっか。だけど、あまり無理するなよ?」


「うん」


「俺も一人で乗らないで済んで良かったー!」


「お前は自分のことしか考えねぇのかよ」


「ちげーよ、遠回しで『楽しもう』って意味だわ!」


「分かりずれぇよ!」


いつも通りの2人のやりとりに、微笑ましく笑う私がいた。