3センチHERO


「まずはどれに乗る?」


園内の地図を眺める逢坂くんが言う。


受け付けを済ませた私たちは、近くのベンチに移動した。


園内はかなり広い上、アトラクションも豊富なため、何にするか迷ってしまう。


すると、逢坂くんの膝の上に乗る三枝くんが地図へと場所を移し、その上をとことこ歩く。


「俺、これがいい!」


体を目一杯使って指したのは、この遊園地の看板アトラクションでもある、『ジェットコースター』。


うっ…。


絶叫マシン系が苦手な私は、思わず顔をしかめてしまう。


きっとさっきから聞こえる悲鳴も、このジェットコースターからのものなんだろうな、と改めて考えてしまうと、より緊張が走る。