「おい! ずるいぞ、ハル! 俺が小さいことをいいことに、そんな少女漫画みたいなことするなんて…見損ったぞ!」
「何言ってんだよ。元のサイズに戻ったところで、どうせお前には出来ないだろ?」
な、と三枝くんへの挑発のように、さらに私の頭を撫で回す逢坂くん。
変な感覚に、なんだかくすぐったい。
「な、なななな……! 分かった、分かった! 俺の負けだ…だから、今、すぐ、その手、を、離せ…!」
よほど恥ずかしいのか、三枝くんは真っ赤に染めた顔を、胸ポケットの内側へと背ける。
それでも口調がいつもと変わらないのは、ひょっとしたら負けず嫌いという性格が影響しているのかもしれない。



