そして電車を何本か乗り継ぎ、例の遊園地へと着いた。
都会のような大型なものではないけれど、田舎に住む私たちにとっては遊園地という存在自体が貴重なので、今日も大変な賑わいを見せている。
「混んでるなぁ」
「そうだね、人がいっぱい」
逢坂くんの少しうんざりしたような声に、私も同意する。
だが、この人混みのせいで久しぶりの遊園地だというのに、一気にブルーな気持ちになってしまった。
ちゃんと楽しめるだろうか、とうつむいた私に、逢坂くんは私の頭にぽんと手を乗せる。
「あまり心配すんなよ、大丈夫だからな」
初めて味わう優しい対応に、つい胸がきゅんと高鳴る。
突然のことにどう反応したらいいか分からずに頭がパンク状態になりかけていると、三枝くんが彼に突っ込んだ。



