3センチHERO


先ほどの服装とは違い、シンプルながらも格好良さを思わせる、『高校生』といった感じの身支度。


「行こうか」


と、笑顔で声をかける彼に、つい無意識に胸が高鳴ってしまう。


いつもと違う逢坂くんの姿に緊張しているだけなのか、それとも違う何かか。


全く分からないまま、ただ鼓動が早くなるばかり。


もし三枝くんが私服だったら、私は同じように胸を高めていたのだろうか。


逢坂くんと笑顔で話す彼を横目に、複雑な思いを抱く私がいた。