そして、遊園地全体が見渡せる高さまで上がった頃、彼は膝においた私の手を取り、優しく握る。
「えっ、三枝く…」
振り向いた瞬間、三枝くんは私のほおに唇を当て、キスをした。
柔らかく、暖かい彼の唇が、私の体に熱を灯していく。
突然のことで、頭が真っ白になる。
唇同士ではなかったとはいえ、キスなんかされたのは初めてで、どう反応したらいいかが分からない。
そんな私に、フッと笑いかけた三枝くんは、今度は口に顔を近付いてくる。
「ちょっ……ま、ままま待って!」
彼の手から両手を取り、顔の前に被す。
「なんだよ、鳴海」
「い、いくら三枝くんでも、これ以上はちょっと…」
好きな人からのキスは嬉しいものかもしれないし、そのための観覧車だったのかもしれない。
けれど、何の説明もなければ、私もプラスのようには考えられない。
遊んでいるとしか、思えない…。



