3センチHERO


目の前に広がる夕日をぼんやりと眺めながら、彼の返事を待つ。


「だってほら、あのスタッフさんと話すことなんて、きっともうないだろうし。あったとしても、俺らのことなんて忘れてるはずだから、友だちでも恋人でも、別にどっちでもいいかなって」


どっちでもいい…。


三枝くんにとって私はそういう存在だったの?


なんだか心が痛くて、切なくて、今にも涙が零れてしまいそうだ。


そして、2人とも何も話さないまま、ゆっくり時間が過ぎてゆく。


このハート型のゴンドラに乗ると、永遠に一緒にいられる。


そんなの嘘だ。


きっと私たちは、明日からまたクラスメートに戻ってしまう。


友だちでも恋人でもどっちでもいい。


三枝くんは言ったけれど、本当は友だちですらないんだ。