「えっ…?」
「だってほら、喧嘩って思いのぶつけ合いじゃん? 鳴海が紘と喧嘩したってことは、あいつに本音を言えたってこと。それだけお互いを信頼してたっていうことだろ?」
「お互いを、信頼してた…」
逢坂くんに言われて気付く。
確かに、昨日三枝くんに言ってしまったことは、普段の私なら絶対に言わなかったと思う。
『三枝くんはいつも自分のことばかりで、なんでも自分で解決しようとして……私たちを全然頼ってくれない! それじゃあ、いくら三枝くんを助けようって思っても意味ないの! 三枝くん自身が変わらなきゃいけないの!』
伝えたかったのは本当だし、本心のまま。
それでも、喧嘩という形になってしまったけれど、自分の思いを伝えられたってことで、いいのかな。



