3センチHERO


「そう、まあいいわ。たまにはそういうことだってあるものね」


ふふっ、と笑ってまたキッチンの方へと帰っていく。


私の言葉から何を察したのか、到底見当もつかない。


変なことを考えていなければいいけれど。


だけど、『1人で帰ってきた』というお母さんの考えは、間違いではなく、唯一の正解点。


緊張のあまり、逢坂くんとの下校を断り、久しぶりに1人で帰ってきたのだ。


…いや、正確に言えば、2人か。


三枝くんの存在を今になって思い出し、途端に申し訳ない気持ちになる。


自分の部屋に着き、ポケットに手を入れて、そっと取り出した。


「ごめん、三枝くん…起きてる?」


昨日、今日と、まさか2回連続でやってしまうなんて。


「起きてるよ」


不機嫌にむすっとする三枝くん。


まずい……この仕草は、完全に昨日と同じパターンだ。