「そしたらまた2人イチャついてるし! もしかして、俺の知らないところでくっついてんのか!?」


焦りと嫉妬のような感情が混ざり、三枝くんは口を膨らませる。


「…ちょっと、私を置いてけぼりにしないでってば!」


そんな会話をしていると、いつの間にかお弁当を食べ終わっていた鈴村さんがこっちを見て三枝くんと同じ表情をした。


さすが兄妹…。


不意に思ってしまったことに、いやいや、と首を振る。


「久しぶり、紘くん……いや、お兄ちゃんって呼んだ方がいいのかな?」


「………っ!」


久々に面と向かって見たであろうその微笑みは、一体彼の目にはどのように映っていたのだろうか。


切なげな表情を浮かべ、ただ涙を堪える三枝くんの姿がそこにはいた。