3センチHERO


私も早く食べないと。


なんて焦って頬張ると、三枝くんは私を見て笑った。


「ははっ、そんなに急がなくていいのに! リスみたいだって」


リ、リス…!?


褒め言葉ととらえていいのか、それともその逆か。


嬉しいような、嬉しくないような…。


少し意味深な言葉に首をかしげると、逢坂くんは心配そうな目を向ける。


「ああ…紘の言うとおりだよ。俺らの事なんて気にしないで、焦らないで食べてくれていいから」


「…うん」


優しい声かけに、つい胸が高鳴る。


なんだか今日は、ドキドキしてばかりだ。