3センチHERO


「昔からお茶も飲むと安心するんだ。緊張も不安も、全てなくなっちゃうみたいに」


「緊張に不安って……もしかして、今日俺たちとここに来るの嫌だった?」


眉を下げ、申し訳なさそうに聞く逢坂くん。


「ううん、違うの。2人ともすごい楽しそうにしているから、逆に私なんかで良かったのかなって」


もっと、ノリのいい明るい子がよかったんじゃないかなって。


私の存在がお荷物になっていないか、それだけがずっと気になるんだ。


「なんだ、そんなこと気にしてたのか。俺は鳴海で良かったよ。同じクラスでもあまり話せてなかったから、関わりたいなっていうのは、前々から思っていたことだし」


「えっ…」


「だな、俺も! 拾ってくれたのが鳴海じゃなかったら、あんな立派な家に独り占め出来なかったからな!」


立派な家、それはきっとドールハウスのことだろう。


そこまで気にいっていてくれたなんて、私まで本当に嬉しくなる。