今回もそのようなものを食べるのだろうと思っていたから、財布には必要最低限の金額しか入っていない。
もし払えないなんてことになってしまったら、私たちは一体何をされてしまうのだろう。
考えただけで、震えが止まらなかった。
「鳴海は何にする?」
ジェットコースターとはまた違った恐怖を感じていたとき、逢坂くんに声をかけられて恐る恐るメニュー表を覗く。
すると、意外にも商品の価格がリーズナブルだったことに、私は目を見開いて驚いた。
コーヒーやカフェオレ、抹茶ラテなど、イメージどおりの品物ばかりだが、そのひとつひとつはレストランやファストフード店とあまり変わらない値段だった。
良かった、と一息つくとともに、ここが遊園地だということを思い出す。
遊園地内なら、高級なものを出してもあまり売れないか。



