それにしても、ライトの上に乗せていたなんて気づきもしなかった。
いつの間にそんなことをしたのだろう。
声もあげないし、物音ひとつ立てない。
暗闇の中でそこまで冷静でいられるなんて、ある意味尊敬したい。
「ああ、鳴海は知らなかったよな。実はお化け屋敷に入った時からすでに仕掛けておいたんだよ。紘はずっと静かにしていたみたいだけど、鳴海みたいにお化け屋敷が得意とかそんなんじゃなくて、きっとビビりすぎで固まってただけ」
「そうなんだ」
と、私は普通に納得してしまった。
男子でも、お化けや幽霊はやっぱり苦手らしい。
それに比べて私は、女子のくせにこういうのが得意だなんて、少し可愛げがない。
おしゃれにもあまり気を使わないし、きっとこんな私の性格が皆に好かれないのかな、なんて。



