学校には自分で、体調不良で休むと電話をした。そのあと、アスカたちとのグループLINEに、同じように「体調不良で今日休むね」と涙目の顔文字とくまのスタンプを押しておく。想像通り一分もしないうちにアスカから返信がきた。「お大事に!」って短いふきだしとウサギのスタンプ。それを未読無視して、スマホをソファに放り投げる。

 今日はお母さんが10時ごろに帰ってくる。勝手に学校を休んだらお母さんはきっと心配するだろうから、その前に家を出て、今日は一日テキトウにどこかにいよう。

駅前のスタバかな。図書館でもいい。そういえば久しぶりにカラオケに行きたいかもしれないし、一人で映画も悪くない。

ああでも、見たい映画は先生と全部見ちゃったな……。

頭の中から先生のことはとりあえず消し去りたくて、ブンブンと顔を横に振った。


 牛乳と焼いたバタートースト。苺のジャムをたっぷりつけて食べるのが私のお決まり。

時計を確認すると、すでに8時半。学校の門が閉まる時間だなあと思いながらトーストを頬張って、今日は何をして過ごそうかと頭を悩ませる。

受験生のくせに、学校サボって好きなことしようだなんて私も大概どうしようもない奴だよなあ。

先生が「自分の道を自分で狭める」っていうのはこういうことかな。努力はしてるつもりだけれど、最低限。ソコソコ、テキトー。そう言われればきっとそうなんだろうな。私の人生って、きっとずっとそうなんじゃないかなって思う。