- 8話 -




「極道のお見合いの護衛って必要っすか?」


「中で何かあった時、市民に被害が出ないとは言えないからねぇ」





連絡がとれなくなって数日がすぎた




交番勤務なら携帯を手にすることはできるが護衛となるとそうはいかない







はぁっとため息をつく






「ほら、橋爪くん。車が来たから敬礼して」


「ういっす」





前から来た黒い車。



この中に俺の護衛対象が入ってる




さっと横を通り過ぎた時その窓から目に入ったのは軽くパーマのかかった茶髪のロングヘアー







「…鳳崎…?」


「そうだよ。今日の護衛は鳳崎家と小鳩家のお見合い。聞いてなかったのかい?」




いや、聞いた。


確かに鳳崎家のお見合いの護衛だと言っていた




だが、でも、それでも。茜だなんて思うわけがないだろ





一瞬だったがその首元には確かに赤いリングのネックレスがかかってた