- 5話 -






「祐征さん!」




時間より数分遅れ、走ってきた鳳崎さんは白いミニスカートのワンピース




「遅れてすみません!ちょっとまくのに時間かかっちゃって」


「まく?」


「あ、いや!そうじゃなくて!」






何かを誤魔化すような口振りに違和感を感じた



また、誰かに襲われたのか?



そんな俺の不安とは他所に鳳崎さんは手を掴みショッピングモールへと引っ張りだす






「とりあえず行きましょう!!私、アクセサリーが見たいんです」


「ちょ。おい!」






次から次へと店を回っているうちにそんなことは忘れてしまっていた





それよりも目を引かれたのはコロコロと変わるその表情



可愛いものを見つけて笑ったかと思えば俺の返事が適当すぎると拗ねたり



甘いパンケーキをたべて美味しいと頬を緩ませたり




そのうち、彼女の様子を眺めているのが楽しくなってきた









「あ!これ、可愛くないですか?」


「ん?どれ?」


鳳崎さんが指さしたのは青いリングがついたネックレス


リングには白でforeverと書かれている




だが、俺の目についたのはその隣にある赤いリングのネックレス



「ちょっと待ってて」


「え?どこ行くんですか!」




どうしても彼女につけて欲しいと、あげたいと思った


ただの友人にものをあげるたいと思うだなんておかしいかもしれないし相手に期待させてしまうかもしれない



でも、後悔するよりはマシだ







「はい。こっちのほうがお前に似合うよ」




急いで買ってきたから包装なんてしてもらってないけど簡単な袋に入ったネックレスを渡した



恐る恐るその袋から俺の選んだネックレスをとりだすと花が咲いたように笑顔が広がる





「貰ってもいいんですか?」


「そのために買ったんだよ」


「ありがとうございます!家宝にします!!」


「大袈裟だって」





首元で揺れてる赤いリング

やっぱりこっちのほうが似合ってる