- 10話-鳳崎 茜side- -




「お見合い?」



祐征さんに貰った赤いリングのネックレスはあれからずっと身につけてる



それを見た両親が最近よくコソコソと話しているのは知ってた





多分一般人と一緒になるのじゃないかと心配されてたんだと思う






「昔から関わりのある小鳩組の息子さんとのお見合いを考えてる。日取りはまた教えるが、数日のうちに会う予定だ」


「嫌だから」




お見合いなんて嫌に決まってる




どこの誰ともわからない人と一緒になるくらいなら祐征さんと駆け落ちする方がマシ



まぁ、向こうが私のことどう思ってるかがわからないから無理なんだけど。






「はぁ。あの警官には自身のことを話してないんだろ」


「…そうだけど。」


「この世界に巻き込みたくないのならもう縁を切れ」





何もかもを見透かしたような口振り


一体この人はどこまで知ってるのか





「でも!これからちゃんと」


「くどい。最初から話を通していたならまだしも全く話してないんだろ?ならさっさと縁を切ってこい」


「………はい。分かりました父さん」







確かにこの世界には巻き込みたくない






でも…だって。



誰も見てない自室についた瞬間自分の家系への恨みと後悔と悲しみに涙が流れた