ペットな彼女の甘え方




「はぁ…お前はどうしてこう、澤野以外に懐こうとしないんだ?」



ツーンと顔を背けたまま私は答えない。


だって、言う必要がないもん。



「このままだと停学処分になるぞ。いいのかそれで」



いいもん、停学くらい。


でもその前に隣でニヤニヤしてるゴミ(←ついに人間でもなくなった)を焼却炉に放り投げたい。



「分かった、お前が何も言わないなら仕方ない。停学処分に…」


「待ってください」



…え?



突然ドアが開いたのと同時に聞こえた声。

入って来た人物を見て、私はびっくり。



「ゆ、ゆんちゃん!?」



だって、入ってきたのはゆんちゃんだったから。



なんで?


なんで来たの?




「澤野、今は…」


「私にも関係あります。でも、話す前にちょっと失礼」



そう言うとゆんちゃんは、突然のゆんちゃんの登場で顔を強張らせたゴミの吊った腕を掴むと




「なに重症のフリしてんだよっ!!」



と、吊っていた三角巾と包帯を荒々しく解いたんだ。



「それとも何、あんな程度で骨折とかするほど貧弱なんだ、アンタ」



ゴミは唖然として何も言えなくなってる。


ゆんちゃん、超カッコいい!!



「こんな怪我、絆創膏2枚くらいで十分足りるくせに。で、私の親友陥し入れるつもりだったわけ?

…テメェふざけてんじゃねぇぞゴラ」




ゆんちゃんがっ…!!


ゆんちゃんがブラックにーーっ!!



「ゆ、ゆんちゃ…」


「覚悟は出来てんだろうなぁっ!!」


「ひ、ひぃぃぃっ!!」


「澤野、落ち着けー!」



そ、そうだった…!!


ゆんちゃんのおじいちゃんってヤ◯ザだった!!

血筋バッチリ受け継がれちゃってるよ!!



ギャー!!




その後、ゴミ男(←なんだか可哀想になったので戻した)に摑みかかるゆんちゃんを宥めるのに必死。


事情がハッキリとした私はめでたく停学を免れました❤︎


あ、そうそう。ゆんちゃんはケンカが強いことを思い出した私は、あの時なぜ殴らなかったのかを聞いた。


そしたら


「学校じゃ問題になるから殴れない」


だって。

ゆんちゃんって私より凶暴だと思う…そんなことを思った一日でした。