「実瑠来?」
「…………はい」
伊織くんの幸運を祈ってる場合じゃなかったよ。
正座をする私の目の前には、鬼の角を生やしたゆんちゃんが仁王立ちしてるよ。
「誰が鬼だって?」
「聞こえてたの!?」
「声に出てんのよっ!このバカ犬!!」
「ごめんなさいぃぃぃっ」
ゆんちゃん、痛いよ。
こめかみグリグリの刑はやめて。
「実瑠来、知ってたでしょ。あの女共がわざと転ぶの!」
「あ…いや、その……知ってたのは知ってたけど、あの2人は伊織くんじゃなくてりゅーを狙ってたというか…」
「言い訳無用。そのせいであの2人今度は伊織を狙いだしたんだから」
え、そうなの?
うわー…すごいなぁあの2人。
りゅーの次は伊織くんかぁ。
「っていうか、ゆんちゃん…それヤキモチだよね?」
伊織くんに他の女の子が寄ってくるのがそんなに嫌なんだね。
可愛いなぁ、ゆんちゃん。
恋する乙女だねっ。
「殴られたい?」
「ごめんなさい。もう2度と言いません」
しまった。
また口に出てたみたい。



