そして始まる100m競争。
「頑張れー」なんていう声援があちこちに飛び交う中、第1グループがスタートを切る。
「うわーっ、速い速いっ」
皆んな速いなぁ!!
「みぃ」
「なに?」
「一緒に混じって走りたくなってるだろ。顔に出てる」
「うっ…」
バレてた…。
だって、見てると走りたくなるんだもんっ!!
これはもう本能だよ、本能!
「脱走するなよ」
「し、しないよっ!!」
脱走だなんて!
犬じゃないんだからねっ!
それより、ゆんちゃんは大丈夫かな?
緊張とかしてないかな?
そう思ってゆんちゃんの方を見たのだけれど。
……あ、うん。
ごめんなさい。
ゆんちゃんに緊張とかあり得なかったね。
ゆんちゃんてば、順番待ちしながらウトウトしてるんだもの。
その姿からは「眠いんじゃボケ。早く終わらせろ」と心の声が聞こえてくるようだ。



