「離せっ!!いだだだだだだだだっ!!!」
「うーっ!!」
男は私を離そうと手をブンブン振り回すけど、私は離してやるもんかと噛み付くのをやめない。
この男はゆんちゃんを傷つけた。
だから絶対許さない。
「離せって、言ってんだろうが!!」
「っ!!」
思いっきり突き飛ばされて、私は地面に尻餅をつく。
「実瑠来っ!」
「ッチ…覚えてろよ、この凶暴女っ!!」
男は吐き捨てるように言うと、その場を去って言った。
覚えてろだって!?
それはこっちのセリフだ!!この強姦魔のクズ男!!
「実瑠来、大丈夫!?」
「ゆんちゃんっ!平気だよっ、ゆんちゃんこそ大丈夫だった?何もされてない?」
「うん。ありがとう、実瑠来」
よかった。
ゆんちゃんが無事でよかった。
「でも実瑠来、あまり危ないことしちゃダメだよ?もしやり返されたらどうするの」
「その時はまた噛み付けばいいもんっ」
「いや、そういう問題じゃないから」
何度だって立ち向かうよ。
ゆんちゃんのためなら、何度だって噛み付いてやる。
だってゆんちゃんは、私を助けてくれたもん。
いじめられて一人ぼっちだった私に、光をくれた人だから。
ゆんちゃんを守れるなら、なんだってするよ。



