「実瑠来ちゃん可愛いー」
「しー、だよ!起きちゃうから」
うちのクラスの連中は、どうやらみぃのことを気に入っているらしい。
みぃを抱えたまま席に座ると、近くの席の女子が「風邪ひいちゃう」と膝掛け用のタオルケットをみぃに掛けてくれる。
「おい蓮水、まさかそのまま授業受ける気か?」
「そうですけど」
「何も抱えたまま受ける必要はないだろー」
納得がいかないのか、渋っている柴ちゃんにクラスの奴ら次々に文句を言う。
「柴ちゃん、実瑠来ちゃんが可哀想じゃん!」
「そうだよ!やっと安心して寝られてるのに」
「小さい子いじめたらいけないんだぜー」
「うんうん、子犬は大事にしないと」
…お前ら、みぃを完全に犬扱いしてるだろ、それ。