「いーじゃん先生、実瑠来ちゃん可愛いし。教室にいてもらっても俺全然構わないよ」
なんて能天気に言ったのは、もちろん伊織だ。
伊織の言葉に賛成するかのように、クラスのみんながうんうんと頷く。
「いやダメだ。俺は甘やかさない」
まぁ、柴ちゃんはみぃの担任だしな。
そう言うのが当然……なんだけど。
「柴ちゃん、マジでやめた方が…」
「止めるな。俺は絶対こいつを甘やかさない」
なんて決意を持った言葉を返された。
一体何に決意してんの、柴ちゃん。
なんて思ってるうちに柴ちゃんはみぃの近くに来ていて。
「ほら西條、戻るぞ」
そう言って俺と繋いでいる手を無理矢理引き剥がした。
「やっ…!いや!っ、りゅー…!」
途端、みぃが泣き出す。
あー、ほら。
だから言ったのに。
「やだっ…やだ……ふぇ…、りゅー、りゅーっ…!!」
突然廊下に響いた泣き声に、他のクラスの奴らも「なんだ、なんだ」と顔を出す。
痛々しいその姿に、柴ちゃんもヤバイと思ったのか。
「泣くな、西條!」
よしよしとなだめ始める。
「あー!柴ちゃん泣かした!」
「実瑠来ちゃん可哀想!」
クラスの奴らから野次が飛んできて、アタフタとする柴ちゃんが面白い。



