ゆんちゃんの匂いなら覚えてるから、跡を辿れるはず!(←犬人間か!笑)
クンクンとわずかなゆんちゃんの香水の匂い辿っていくと、どうやら体育館裏に続いているよう。
…なにか嫌な予感がする。
走って近づいていくと、ゆんちゃんの声がした。
でもその声は
「〜〜……!!……ゃっ!!」
いつものゆんちゃんらしくない、切羽詰まった声で。
「ゆんちゃんっ!!」
急いで声のする方へ走って行った私は、その光景を見て目を見開いた。
「っ…み、るくっ…」
だって、男がゆんちゃんの手首を片手で上に押し付けて
もう片方の手でゆんちゃんのブラウスを脱がそうとしていたところだったんだから。
ゆんちゃんの目には涙が溜まってて、いつものクールなゆんちゃんじゃなくなってた。
その痛々しい姿を見て、私の中で何かがブチッと音を立てて切れた。
「邪魔すんなっ、どっかいけよ!」
「……さない」
「あ?」
許さない。
許さない、許さないっ!!!!
「汚い手でゆんちゃんに触るなっ!!」
男に走って近寄った私は、ゆんちゃんを掴んでいた男の手をゆんちゃんから引き剥がした。
そして…。
ガブっ!!
「痛ってぇええっ!!!!」
思いっきり噛んでやった。