「こら実瑠来、なんでいつもそう威嚇するかな」

「仕方ないよ、癖みたいなものなんだもん」



幼い頃から、お母さんに言われ続けた言葉。


【簡単に他人を信用するな】


優しくされても、その裏では何を考えてるか分からないからって。


これは私のお母さんが昔、お母さんの父親…つまり私のおじいちゃんが友達に裏切られて借金を作ってしまった為。


その時の辛さをよく分かってるから、お母さんは私にしつこく教えてきた。


だから、信用してるのは今の所ゆんちゃんだけ。


ゆんちゃんは中学の頃に出会ったんだけど、その頃から私はこんな感じでよくいじめられてた。

誰も助けてくれない。

周りは見て見ぬ振り。


そんな中、身を呈して助けてくれたのはゆんちゃんだけだったの。


あぁ、この人なら信用できる。


すぐにそう思ったんだ。



「ホント、ワンちゃんみたい」


「ワンちゃん!?」


「もしくは猫ね」


「猫!?」



私ってそんなに動物に似てるの!?