「あの2人はいつも中庭にいるんだよ」
なんて言って、どんどん先に進んでいく伊織の後ろをついていく。
…なんでこいつ、さっきからこんなに詳しいんだ?
「なぁ、なんで中庭って知ってんの?」
「ワンちゃんが走り回れるからって、柚音ちゃんが連れていくから」
あー…。
ホントに犬扱いされてるってことだけは分かったわ。
ついていくこと数分、人工芝が一面に広がる中庭についた。
「どこかなー……あ、いたいた!」
「ほら、あそこ」と伊織が指差した方向を見ると、確かに目に映った2人の美少女。
1人はショートボブの背が高い子で、もう1人がふわふわとした長い髪の背の小さな子。
さらに言うと、綺麗系と可愛い系。
真逆な2人の共通点がまるで見つからない。



