ペットな彼女の甘え方

side 劉翔



「なぁ、この学校に犬がいるって知ってるか?」


そんなことを突然伊織が言ってきたのは、5月に入ってすぐのことだった。



は?

犬?なにそれ。



訳がわからないとばかりに顔をしかめる俺を見て、伊織が驚いたように説明しだす。



「え!?知らねぇの!?2つ隣のクラスにさ、2人組の美少女がいるんだけど」


「…へぇ」



それがなんだよ。



「その片方が、まるで犬そのものみたいな性格してんの」



犬みたいな性格ってなんだよ?



「そうだな…例えるとチワワ!」


「チワワ?」



ますます意味が分からねぇ。