「はぁ…しょうがないか、野良犬だから知らなくても」
野良犬じゃないよ!
ちゃんと二足歩行してる人間だもん!!
なんて心の中で怒るけど、外には出さない。
だってゆんちゃん怖いもん。
逆らったら何されるかわからないからね。
「いい?よく見て」
「うん?」
「集団の真ん中に2人の男が見えるでしょ?」
そういってゆんちゃんが指差した方向を凝視。
あー、うん。
いるね。
「で、その黒髪の方が蓮水 劉翔。クール王子ね」
クール王子?
首をかしげる私の気持ちを読み取ったかのようにゆんちゃんが説明してくれる。
「女の子とは必要以上に話さないからそう呼ばれてるの。
彼の友達がお喋りだから口数が少なく見えるだけなんだけどね」
へぇ…。
背、高いんだなぁ。
175以上はありそう。
「で、隣にいるミルクティー色の髪の男が、三橋 伊織。爽やか王子って言われてる」
爽やか王子かぁ。
確かにずっと笑ってるなぁ、あの人。
「クール王子の親友で、人懐こくてお喋り好き。誰とでも仲良くなれる性格してる」
ゆんちゃん、説明ありがとう。
なんとなく分かったよ。
「で?どうしてその2人が有名なの?」
「…天然にも程があるわよ、実瑠来」
だって分からないんだもん。
性格は分かったけど、どうして2人が有名なの?



