「碧音君!」
「……」
ペットボトルを投げつけられたくらいじゃ、全くへこたれない私。何故って慣れてるから。
碧音君ははあ、溜め息を吐き黒髪を耳にかけた。
「1回だけな」
「はい!」
どうしよう鼻息が荒くなってくる。目を見開き、言葉を一言一句聞き逃すまいと全神経を集中させた。
かさつきのない、潤った唇がゆっくり開かれて。
「大変良く出来ました」
「っ……!!な、な、なっ」
体温が上昇し、一気に顔が熱くなっていくのが分かる。熱い。
「良く出来ました」
「ぐはあっ!!」
出血大サービスでもう1回言ってくれた碧音君に、私のハートは撃ち抜かれました。
恐らく、私の反応を面白がって言ったのだろうけど。鼻血が、鼻血が出ちゃう。
「碧音君、それは狡い!反則」
色気たっぷりの碧音君にそんなこと言われて、悶えないわけがない。


