キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】




がくがく、肩を皐月に揺さぶられる。ちょ、元気になってくれたのはいいけど力強すぎ。


「その手があったか~」


「よし、やり直しすんぞ!」


「明日歌ちゃん。助かったよ」


どんよりとしたオーラはどこへやら。やっと 元の状態に戻ってくれた。一時はどうしようかと焦ったけど。


「お前のおかげ」


先程より幾分か穏やかになった碧音君。


「もっと褒めて!」


碧音君に褒められたことなんて、今まで極僅かしかないから、ここぞとばかりに攻める。


「嫌だ」


「いいじゃん、碧音君に褒められたい!頭ぽんぽん、のオプション付きで」


「金取るぞ」


お金払えばやってくれるのか、と期待する自分は重症だ。


「一瞬でもいいから!そしたら私満足」


碧音君に『お願いします』と言いつつどさくさに紛れて抱きつこうとしたら、ペットボトルを顔面に投げつけられた。


なんてサディスティックなの。


憂いに満ちた双眸と気怠げな雰囲気にすら、興奮を抑えきれない。