ライブはノンストップで進行され、次から次へと演奏が続き途中休憩を挟み後半開始。


観客の反応もその都度変わり、ハイクオリティなバンドには黄色い声、ちょっとな……というバンドには社交辞令くらいの拍手が送られた。


ラストは、インディーズで名の知れたバンドの演奏があり、皆のボルテージは最高潮で幕を閉じたのだった。


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―――……



「ここで待ち合わせしてるんだ。もうすぐ来るって」


「そっか、本当ライブ楽しかった!誘ってくれてありがとう」


「いえいえー」


どっぷり闇に浸かった夜空を仰ぎ、22時過ぎに外にいるっていつぶりだろうか、ふと思う。


バンドの人達はライブハウスの裏口から出てくるんだけど、そこで待っているのはダメだから近くの公園で待ち合わせ。


湿度が高くジメッとした空気が肌にまとわりつく。


――――と。


「菜流!お待たせー」


「星渚ぁ!お疲れ」


むぎゅっ、暗闇の中から現れたお兄さんに勢い良く抱きつく菜流。タックル並みだ。


「今日も最高だったよ、格好よかった」